お焚き上げという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
お正月になると多くの人が初詣に出かけて、気持ちを新たに新しいお守りを買う方も多いのではないでしょうか。
お守りやお札は願いごとや縁起を担いで身に着けているものですので、役目を終えたからといって一般ごみとして処分をするのは気が引けますよね。
古いお守りやお札はお寺や神社に納めるのが一般的で、お寺や神社ではお焚き上げをすることで古いお守りやお札を処分しています。
お焚き上げってなに?
お焚き上げとは、お札やお守りなどの縁起物や仏具、大切にしていた人形など魂が宿っているように思えて粗末に扱うことが出来ないような物を、お寺や神社で燃やし供養をすることを言います。
家で自分で燃やすのは危険ですので、お寺や神社に持ち込みお焚き上げをしてもらうのが望ましいでしょう。
お墓や仏壇を購入した時などに開眼法要(魂入れ)と言われる法要が行われています。
開眼法要を行うことで墓石や仏壇に魂が宿ると言われています。その後墓石や仏壇を処分する時は閉眼法要(撥遣(はっけん)法要や魂抜き)を行うことで、ただの石にしてから撤去工事を行っています。
これと同じように、役目を終えたお守りやお札、魂が宿ったように思える大切な物を供養し焼却することがお焚き上げと言われています。
お焚き上げはいつ行われる?
明確にお焚き上げの日がある訳ではありませんが、一年間のお世話になったお守りやお札などが持ち込まれることから、
年末やお正月前後に行われることが多いです。
お正月の初詣の時期には、新たにお守りやお札を購入するする時期です。
その際に一年間使用した古いお札を返納・回収をする場場所が設けられていることも多くお正月で古いお守りやお札を
たくさん預かる為、直後のお正月前後にお焚き上げを行うところが多いのではないかと思います。
お寺や神社の考え方により、行事として一般の方に公開している場合とある程度溜まった段階で非公開でお焚き上げを行う場合があるようです。
私が在職当時に出入りしていたお寺では、除夜の鐘と同時にお焚き上げた行われていて、当日には特設の焼却炉を石で組み大々的に行っていました。古いお守りを自分で火の中に投げ入れて手を合わせる方が多くいらっしゃいました。
焚き上げにはどんな物が持ち込まれるの?
お寺の中には出入り職会というものがあり、お寺の行事ごとの手伝いに集まることが多くありました。
除夜の鐘~初詣の時期は年間で一番人が集まる時期ですのでお手伝いに行っていました。
お焚き上げの火の番も行うことがありましたが、様々なものが持ち込まれていました。
お守り・お札
お焚き上げで一番多く持ち込まれるのはやはりお守りやお札です。
学業成就や安産、恋愛成就など様々なお守りがあり、自分で買う場合もあれば親や友人からいただくことも多いです。
身に着けて悪いことから守ってくれたお守りやお札も役割を終えても大切に扱いたいですよね。
一年間のお礼の気持ちを込めてお焚き上げをお願いするようにしましょう。
達磨(だるま)
達磨は商売繁盛や選挙などの縁起物として定番になっています。
神棚を設置して達磨を置いている会社も多いのではないでしょうか。
こちらも1年間祈りを込めてきた物ですので、きちんど供養をしてもらいましょう、。
仏具
位牌や数珠、大きいものだとお仏壇の持ち込みもありました。
さすがに仏壇は檀家さんに限られていましたが、ゴミとして捨てることが出来ない仏具は多く持ち込まれていました。
写真や人形
思い出の詰まった大切なものもお焚き上げに多く持ち込まれていました。
人や動物を形どった人形や縫いぐるみには魂が宿るとも言われていますので、きちんと供養をする方も多くいらっしゃいます。一般的なお寺や神社では、お焚き上げの対象はお守りやお札に限られることも多く人形や縫いぐるみまでは受け取ってもらないことがあります。
人形供養を行っている神社やお寺も多いので、問い合わせてみてください。
お焚き上げに持ち込めないものとは
大切なものを感謝の気持ちを込めてお焚き上げをしてほしいという気持ちは大切なことです。
一般的にお守りやお札は多くのお寺や神社で受け取ってもらえるようですが、大きな仏具や人形などは対応に差があるようです。中には人形供養を大々的に行っているところもあるようですので、相談してみてください。
金属が入っていたり、プラスチックのように燃やすと有毒ガスが発生するような物は持ち込めないことがほとんどですので、燃やせる物に限定して持ち込むようにしましょう。
まとめ
お焚き上げは一般的に古いお守りやお札をお寺や神社にお返しして焼却、供養をしてもらうことです。
お守りやお札をはじめ、達磨などの縁起物は、家庭ごみごして出すのは精神的に抵抗があると思います。
罪悪感を持ちながらごみとして出すぐらいであれば、お寺や神社へ持ち込みきちんと供養をしてもらいましょう。
お守りの購入や寄付が必要な場合はありますが、お守りの販売所であれば多くの場所で受け取ってもらえると思います。
その他にも大切に使ってきた物や故人の形見など、家庭ごみとして捨てるのは忍びないという物は誰もが持っていると思います。お焚き上げをしてもらえるところがあるかもしれないので、いちど探してみて頂ければと思います。