永代供養簿とは
永代供養墓と一言で言っても色々な形態がありますが、今回は普通のお墓と永代供養墓の違いを見ていきましょう。
通常のお墓は、建てた後は子供や孫に引き継いで管理をしていかなければいけません。
永代供養墓というのは、集合墓所にお骨を収めて、寺院や霊園が継承者に代わって供養や管理を行ってくれるお墓のことです。
近年では、核家族化や子供を持たない生き方など、子供に管理の負担をかけたくないなど、様々な理由で継承者を必要としない永代供養墓が選ばれるようになりました。
違いを整理してみましょう。
一般的なお墓
永代使用料(土地)＋墓石工事費＋管理料がかかる
家族で独立して使用ができる
墓石を建てることでお墓として形が残る
毎年の管理料がかかる
掃除や補修などが必要になる
永代供養墓
申し込み時にかかる永代供養費用のみの場合が多い
継承者がいなくても申し込みができる
墓石を建てないので工事費が必要ない
特徴を理解して決めることが大事
上記のように、一般的なお墓と永代供養墓は仕組みも経済的な負担も大きく異なります。
一時、永代供養墓は新しいタイプのお墓として注目されてきました。
一般のお墓を購入して墓石を建てると100万円～300万円程度の費用がかかります。
さらには毎年管理費がかかってきます。
それと比較して永代供養墓は、最初に20～30万円を支払ってしまえば、その後の管理費等も必要がないようなプランが多くあります。
その場だけで見れば、経済的も非常に良い選択肢のように思えます。
家族の人数が多ければ、個別に永代供養料を支払うよりも一般のお墓を持つ方が経済的に少ない負担で済むことも多く考えられますし、
お墓という形で物理的に持っていることで、親族がバラバラにならず同じ場所に眠ることができるという点でも安心感はあると思います。
永代供養墓だと、故人の趣向によりおじいちゃんは田舎のお墓、母は自然志向だったｋらA霊園の樹木墓地、父は家の近くのB霊園なんて、家族がバラバラの場所で眠ることも普通に起こります。
大きく一般墓と永代供養墓という比較をしましたが、この2択がすべてではありません。
最近では、機械搬送式の納骨堂や、個別にお骨を安置する期間を設けた契約など、非常に多様なプランが出てきました。
ご自身の家庭の状況や考え方に合ったプランを選んで納骨することが大事であると思います。
それぞれの特徴を理解し、親族でしっかり話し合って決めるのが大事であると思います。
永代供養墓の種類や選択肢は以下の記事でも解説しています。
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永代供養墓の選択肢
納骨後にトラブルになることがある
まわりの親戚に十分な相談をされていないとお見受けした場合は、起こりうるトラブルの一例としてこんな話をすることがありました。
親子喧嘩をして娘が家出をしたきり絶縁状態になっていたご家庭があったとしましょう。
その後、出会った男性と結婚しましたが、実家には連絡をしませんでした。
不幸にも交通事故で亡くなってしまいました。
相手の男性は、子供のいなかったので永代供養墓に骨壺から出して合祀することを選択しました。
さて、この後どうなったでしょう
時を経て娘さんが亡くなったことを両親が知り訪ねてきました。
永代供養墓に合祀されてしまった為、ご両親はお骨を持ち帰ることさえもできません。
当然、揉めることになると思います。
ここまであからさまな話はないかもしれませんが、上記のようなトラブルは実際に起きています。
まとめ
私自身、一般のお墓のようにご存命の親族の生活を圧迫してまで墓石を建てる必要があるなんて思いません。実際に霊園やお寺が共同墓として慰霊碑を建てることで経済的な負担が軽減できる点や、無縁墓として管理されないお墓が増えることがないことを考えれば素晴らしい仕組みであると思います。
ただし経済的な理由だけだったり、親族に十分な理解を得ないまま納骨してしまうと無用なトラブルになることがあります。
亡くなったご本人もそんなことは望んでいないはずです。
永代供養墓は考え方の多様化に伴い、骨壺の状態で一定期間保管できたり、自然に還る樹木層の選択ができたり、本当に色々な選択肢ができました。
もう一度言いますが、いちど骨壺から出して合祀してしまうと、2度と元には戻せません。
親族できちんと相談をしたうえで最善の選択をできるようにしてくださいね。