お墓を建てるうえで予算は非常に重要な条件になると思います。しかし、お墓を建てた後にかかるお金について事前に確認している人は非常に少ないように思います。
お墓を建てた後にかかる費用を考えていきます。
お墓の管理費
お墓の管理費は、そこにお墓がある限り支払い続けるものになります。お墓の購入時に一度に何百万も払うことを考えると、小さな出費のように感じますが、長期感支払うとバカにならない金額になります。
50年で15万円。
年間管理費が1万円であれば
50年で50万円。
年間管理費が3万円であれば
50年で150万円。
極端なように見えますが、公営霊園であれば年間管理費は安い傾向にあり、都立青山霊園であれば、1.5㎡区画で年間管理費は1220円であり、周辺の東京都心の寺院等では管理費や護寺会費などの名目で年間3万円超えは普通にあります。
積み重なるとかなりの金額差になりますのでご注意ください。
消耗部分の交換や補修
消耗品といえば、車で言えばエンジンオイルやタイヤ、ブレーキパットなど様々思いつきますが、お墓において定期的なメンテナンスが必要な部分ってどのような物があるのでしょうか。
目地の補修
お墓の補修で一番相談が多いのは目地をが切れているというものです。
墓石のつなぎ目の目地はセメントの場合とコーキング剤があります。セメントは比較的劣化が早いのに対して、コーキング剤は寿命も長く耐震機能を備えており新たに建てられるお墓はコーキング剤が多く使われます。
コーキング剤で土台と固定されることで耐震性が増すことや、目地が切れていると見た目が悪いことから、補修はした方が無難です。
目地が切れていると中に水が入ると心配する声を聞きますが、雨水はお墓の中に入ったとしても納骨棺の下へ抜けるようになっているのでそちらは心配ありません。
補修する範囲によりますが、部分的であれば1万円〜3万円。全体的に補修すれば3万円〜10万円程度かかります。
戒名の追加彫刻
新たに親族が亡くなった場合、お墓に新たに入る人の戒名を彫刻することになります。これを追加彫刻と言い、字彫りの為の機械を墓地に持ち込み、現場で彫刻作業を行います。
近年は、パソコンで原稿を作りゴムの型紙を作成します。そこにコンプレッサーで砂を吹き付けて文字を彫っていきます。
追加彫刻の費用は、4万円〜7万円程度が相場です。
文字の色入れ
お墓には文字が彫刻されており、文字を読みやすくする為に字彫りをした部分に塗料を入れることがよくあります。
しかし塗料は寿命が短く、何年か経つと剥離してポロポロ剥がれてしまいますので、定期的な塗り直しが必要になります。
目立つ部分ですが、見た目を気にしなければ放置してもお墓の寿命には影響ありません。
新たに戒名彫刻を彫る際に一緒に依頼をすると、彫刻料金プラス1霊あたり5千円程度で済むこともあります。
文字彫刻については、こちらの記事で解説しています。
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何が書いてあるのか見えない?墓石の文字彫刻と石種の見やすさ関係
植栽の手入れ
広い区画を購入するとお墓の中に植木を植える方が多くいらっしゃいます。
植物を植えると定期的な手入れは必要になりますし、植えた時は小さな木が、数十年と使ううちに成長し、根が石を持ち上げてしまうなどほ問題が起きることがあります。
お墓の手入れの観点からは、石貼りにしてしまったり、草どめの工事を行うことで手入れは楽になります。
クリーニング
お墓参りの時の掃除とは別に、何年かに一度墓石のクリーニングをすることをお勧めしています。
屋外で風雨にさらされているお墓は汚れが目立つようになってきます。特に蓄積した水垢は市販のブラシ等ではなかなか落とせません。
石材店によるクリーニングでは、専用の薬剤や水圧洗浄機、水垢を削り取ったりしていくので、見違える程綺麗になります。
費用はお墓の大きさや汚れ具合により変わりますが、3万円〜10万円程度かかります。
少し高いように感じますが、クリーニングは石を傷めないよう時間をかけて作業ふる為、あまり安くはありません。
法要や供養にかかる費用
お墓に関連する費用として、法要にかかる費用があります。亡くなった後は初七日、四十九日、百か日、一周忌と節目となるものがあります。
どこまで法要を行うかは自身で決めることとなりますが、積み重なると大きな費用がかかります。なし崩し的に行うのではなく計画をする必要があるかもしれません。
一回の法要で3〜5万円程度のお布施が必要にであり、お坊さんに霊園に来てもらう場合は別途御車代なども必要になります。
まとめ
お墓を建てるには高額なお金がかるかります。
建てる際は、目先の建墓費用は非常に気にしますが、その後の管理費や維持費についてまあまり気にしない方が多い印象があります。
建墓に300万という大きな買い物をすると年間管理費の3万円だとしても安く感じてしまうものです。
石材店の営業マンとしても、最低限年間管理費等の説明はしますが建墓した後のお金の話をしすぎると予算が減る可能性の方が高く、営業マン側からは積極的には話をしません。
例えば、建墓+50年間の維持管理費を意識して比較することで、お墓にかかる費用の全体像が見えてくるのではないでしょうか。
予算として盛り込んでおくことで、定期的なメンテナンスにもお金をかけやすく、お墓を綺麗に保てることになります。
お墓を建てた後も含めた予算を比較検討されることをお勧めします。