お墓の裏話

石材店の営業マンはどんな仕事をしてるの?

石材店の営業マン目線のお話

石材店の営業マンってどんな仕事をしているのでしょうか。

会社による。と言われればそれまでですが、石材店の営業マンが何を考えて動いているのか、私のいた会社を例に見てみましょう。

石材店って特殊な業界ではありますが、やっていることは他の業界の普通の営業マンと大きな違いはありません。

特徴は、軒並み訪問をして「お墓は如何ですか?」というような営業方法を取るような業界ではありません。お通夜や葬儀へ行って営業をするなんて都市伝説を聞いたことがありますが、さすがに私はやったことはありません。

基本的には、ご遺族の心情に配慮をしなければいけませんので、ゴリゴリと押しまくる営業のやり方はにそぐわない業界かなって思います。

お客さんはどうやって見つけているの?

私が仕事をしていて、契約に至ったもので中で多かったのは、以下の4つの経路でした。

 

①出入りしているお寺からの紹介

②民営霊園

③提携している葬儀社からの紹介

④ポータルサイトからの紹介

 

①出入りしているお寺からの紹介

指定石材店制度の記事でお話をしましたが、お寺の行事のお手伝いや境内の整備などを通じて出入りのお寺とは持ちつ持たれつの関係であり、お墓を検討しているお客さんがお寺にお話しを聞きにきたら、紹介をしてもらえます。

自分でお墓を探してお寺を訪ねてきたり、お寺の住職とある程度話をしたうえで紹介をしてもらえるなど、真剣にお墓を検討している場合が多く、成約率はかなり高い紹介方法でした。

お寺側から指定石材店として紹介をしてもらえるので、他の石材店と合い見積もりも取れない前提でお話を頂きますので、営業としては一番やりやすい場所なのかなという印象です。

お寺としても、自分のお寺でお墓を建てて檀家になってほしいという意図があり、石材店とお寺との利害関係が一致している点から、お寺側も非常に協力的です。

墓石の案内の時にこういう話があったので、ご住職からこういうお話をしてもらえませんか。みたいなやり取りを普通にできるお寺さえありました。もちろん、一緒になって騙すとかいう意図はありませんが、供養に関わることはご住職から代弁してもらうことで迷っているお客さんの背中を強烈に押すことが出来る感覚はありました。

指定石材店のことはこちらの記事でも解説しています。

指定石材店ってなに

 

②民営霊園

民営霊園の記事でご紹介をしたように、複数の石材店が持ち回りで案内を行うことが多くあります。

新聞の折込チラシを入れた後なんかは、お客さんが何人来るかわからないので、朝から夕方まで霊園の待機小屋で一日待っている。なんてことをやっています。

客さんが来なかろうが営業マンには目標売上というのがついて回ります。何日か待機しても順番が回ってこないと、致命的な訳で、少ないチャンスで成約を取らなければいけません。

そんな感じなので、同時進行でたくさんのお客さんとやり取りする訳ではないので、霊園見学後のアフターフォローという名の営業の電話は掛かってきやすい業態なのかなって思います。

さらに、限られたお客さんので少しでも売り上げを多く上げようと思うと。少しでも高く買ってもらわなければいけません。

そうなると、国産の石がいいですよとか、加工やデザインのオプションを勧めてみたりとか。手を変え品を変え、単価を上げようと努力をするのが普通ですよね?

トップセールスと言われるような人たちは、霊園でのお墓の案内の中で、大切な人を供養していくことの意味と関連づけて墓石の価値を上手に伝え、より単価の高い石種をお勧めする話術に長けているのではないかと思います。

ただの墓石という「物」を販売すると考えると墓石に大した価値はないのかもしれません。
単なる「物」ではなく、大切な人をどうよう風に供養していくのかまで踏み込んでいくことで、故人に対して出来る限りのことをしたいという想いを叶え、売上も上がっていくという双方にとって良い結果に繋がる側面もあるのではないかと思います。

施主さんの気持ちに寄り添った結果、希望に叶うものが出来上がり納骨が終わった後に、施主さんから「ありがとう」と言ってもらえることこそ、この仕事の醍醐味かもしれません。

 

③葬儀社の紹介

3つ目は葬儀社の紹介です。人が亡くなると人を招待するような葬儀をやるやらないに関わらず、ほとんどの場合、葬儀社さんのお世話になります。

葬儀や火葬場の予約、ご遺体の安置など、打ち合わせをしていく中でお墓のお話が出てきます。

お墓を探さなければいけない事情があるお客さんを紹介をしてくれます。

もちろん単なる善意で紹介してくれる訳ではなく。成約になれば紹介手数料を払います。

葬儀社には互助会という制度がる場合があります。入会金を払ったり積立をすることで、次に葬儀を利用する時の割引、お花代の割引、お墓の割引、お仏壇の割引などの特典を設けて、次に誰かが亡くなった時にリピート利用してもられる仕組みを作っています。

次にその葬儀社を利用してもらうのが目的なので、必然的に紹介先は霊園になります。

提携先以外のお寺を紹介すると、お寺の指定葬儀社に仕事を取られる可能性があるのが主な理由です。

その他には、お付き合いのあるお寺の行事や奉仕活動を手伝いに行ったり、納骨に立ち会ったりみたいなことをやっていました。

ポータルサイトからの紹介

4つ目はお墓のポータルサイトからの紹介です。
お墓のポータルサイトとは、全国にたくさんあるお墓の情報をまとめて掲載している情報サイトのことです。
地域や墓地の管理形態などから検索して情報を得ることができる下記のような便利なサイトです。

このようなサイトを通して問い合わせのあったお客さんがお墓を購入すれば、石材店からサイト運営会社に紹介手数料を支払うことで成り立っている為、お墓を探すお客さんは無料で情報の閲覧や資料請求をすることが出来ます。
多くの石材店と提携することで、指定石材店の垣根を越えて多くの情報を得ることができて、そのまま資料請求や現地見学の予約をすることが出来ます。

ただし、営業マンにとっては良いことばかりではありません。
多くの寺院や霊園の情報を閲覧でき、資料請求も簡単に出来るためほとんどのお客さんは複数の寺院や霊園を比較・検討しています。
問い合わせや、現地案内の件数は増えても必然的に契約に至る確率は下がってしまいます。
お客さんが情報を得やすくなったことで、営業力がますます問われることになってくると思っています。

お墓の営業マンに必要なスキル

石材店の営業は墓石を販売するお客さんに対する営業活動と、お寺のや葬儀社などのお客さんを紹介してくれる人がに対する営業活動が組み合わさっています。

お墓の個人営業

いわゆるお墓を買ってくれる個人的のお客さんです。
一生に何度もする買い物ではない為、紹介を受けた時点ではお墓に対して詳しいお客さんが少なく、誰もが毎日使うような商材に比べれば自分のペースでで進めやすいと言えます。

しかし、高額な物を販売する為短時間で信頼を得たり、適切に要望を汲み取るスキルが必要になります。

また、大事な人を亡くし失意にあるお客さんに対しての営業活動になる為、お客さんの気持ちを理解し、想いに寄り添い適切な提案ができる営業マンが成果を上げられるのではないかと思います。

お寺や葬儀社への法人営業

お客さんを紹介してくれるお寺や葬儀社に対しては、紹介を出してもらう為の営業活動を行う必要があります。

お寺に対しては仏教行事を手伝ったり、旅行や会食に同席して接待をしたり。強固な人間関係を作るなどの昔ながらの営業を行っています。

お客さんを紹介することでメリットがあると感じてもらう必要ながあります。紹介手数料が貰える、お客さんが喜んでるくれて囲い込みが出来たという積み重ねがないと、なかなか積極的に紹介はしてもらえません。

また、紹介案件でトラブルになると、紹介してくれた人の信頼も傷つけることになるので、お客さんを紹介することはリスクを伴います。
何度も通って人間関係を作ったり、利益にならない仕事でも手を抜けないなど大変な面もあります。

まとめ

紹介元の利益を害する結果になると、継続した紹介を得られなくなる為、どこからの紹介かによって、上でお話したような違う力が働きます。

お客さんから具体的な意思表示がない限り紹介元が嫌がるような提案はしない為、お墓を建てるお客さんにとって最良の形でお墓を建てることが出来なくなる可能性があります。

それをわかったうえで一枚上手のお客さんとして見学に行ってもらえればと思います。

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