見えない場所は何でもいいの?
お墓の側面や後ろ側を覗いてみたことありますか?
お墓には外柵というものがあります。
中心に棹石という石を一番上にした、納骨棺の真上にあるいわゆる石塔があり。
区画の一番外側を囲っている石を一般的に外柵と言います。
外柵もよく見ると石が何段か積まれています。
コンクリートの基礎の上、一番地面に近いところにある石を根石と言います。
この根石。全部外柵と同じ石で出来ているでしょうか?
もちろん正面に当たる部分は御影石だと思いますが、裏側に回ってみると...
赤丸を付けている部分を根石と言い、左右と真後ろにあたる3方の根石部分は隣にお墓が建つと見えなくなる為、コンクリートで組まれていることがあります。
隣や背面にお墓が出来てしまえば見えなくなるので、という考え方でやっているのでしょうが。。。
それでいいのでしょうか?
かなり大きな部材であり、左右と真後ろの3本になりますので、根石をコンクリートにすることで原価を下げることが出来ます。
費用を抑える為に抑える為にお客さんにもちゃんと了解を取ったうえでやる分にはいいのでしょうが、特に何の説明もなく、このような工事をしているのはどうかと思います。
実際に、御影石よりもコンクリートの方が劣化が早いので、ちょっと心配ですよね?
この工事の仕方。
よく見かけるので、石材業界としては珍しい話ではないように思います。
背後にあったお墓の墓が解体されてしまったので、コンクリートの根石部分が見えてしまっていますね。
お墓を購入される時は、
現地の見学をして、お墓の形が決まって、金額が決まって。
最後に一言と聞いてみましょう。
もちろん外柵の根石も同じ石ですよね?
このお客さん、ある程度知識があるなって思われていれば、適当な売り方はされないはずです。
完成してからクレームを受けて、工事のやり直しになれば手間も費用もかかりますので。
私が在籍していた石材店の取り扱いが、比較的都心を売り場としていて、単価が高かったこともあり、品質へのこだわりから見えない部分もちゃんと御影石で仕上げていました。
根石の見えなくなる部分がコンクリート製のお墓も、実際よく見かけますので石材業界としては普通に行われていることかもしれませんね。
他にも見えない部分って結構あります。
基礎
基礎はお墓が建ってしまえばもう見ることはありません。
しかしながら、きちんとした基礎工事がなされていないと、地盤が沈んでお墓が傾くようなことになりかねません。
お墓は建築物ではありません。
住宅等で規制をされている建築基準法のような厳しい規制が存在しないのも事実で、手を抜こうと思えばいくらでも抜けます。住宅よりも慎重に業者を選ぶ必要があるかもしれません。
基礎のコンクリートを流し込む前に、きちんと転圧をしているか。コンクリートの質、砂利との比率は適正か、配筋の太さ、間隔は適切か。
素人には判断のつかないことも多いと思いますが、きちんとした施工業者であれば写真が入った工事の施工報告書を出してくれることも多いです。
こういった記録資料までしてくれる業者であれば安心材料になりますよね。
カロート(納骨棺)の中
ここもお墓が完成してしまうと見えない部分になります。
図面ではわかりませんが、カロート(納骨棺)内部の骨壺を置く部分ひとつでも、同じ御影石を入れているのか、化粧砂利を入れているのか、砂なのか、基礎がむき出しなのか。
ここはもう完成して納骨の時までわからない部分なのですが。。。
まとめ
お墓は契約金額が大きく大切な人を想い建てるものですので、失敗はしたくないですよね。
少しぐらい高くても、見えない部分までこだわって工事をしてくれる。真面目に仕事をしてる石材店が残る業界であって欲しいなと個人的に思っています。
石材店を選ぶ際には、こういった細かい部分の仕様まで確認することで、営業マンにお墓のことをちゃんと知ってるお客さんなんだなって思ってもらうことが大事だと思います。
失敗してもいくらでも誤魔化せるお客さんと、少しでも変なことをしたらクレームになるお客さんでは、営業マンも違った対応をすると思います。
何も言わなくてもきちんとした工事をしてくれるのがあるべき姿なのでしょうが。。。
お客さんが賢くなることがトラブルを防ぐ一番の解決策だと思います。
また、写真付きの工事報告書を出してもらうこともひとつの対策になると思います。
わからないからと全て石材店任せにせず、自分の理想の形のイメージをしっかり持ったうえで、見学等に行っていただければと思います。