人が亡くなると、葬儀の準備から相続の完了まで、色々な手続きが必要になります。特に葬儀を終えるまではは喪主として葬儀の準備や手続きに追われて、気持ちの整理を出来ないまま進めることも多くあります。
少し落ち着いた時期に行われる納骨式では、準備や流れを知り、少しでも気持ちに余裕を持って納骨式に臨んでもらえればと思います。
納骨式とは?
一般的に言われている埋葬とは、火葬されたお骨をお墓や永代供養墓等に納骨することを言います。菩提寺の僧侶や葬儀でお経を挙げてもらったお寺に墓前でお経を挙げてもらうのが一般的です。
納骨されるお墓が既にある場合は一般的に四十九日を目処にお墓へ埋葬することが多いです。
お墓への納骨は誰がするの?
埋葬は多くの場合は石材店の職人が行います。お寺の場合ば出入りの指定石材店、公営霊園の場合はお墓を建てた石材店が担当します。
民営霊園の場合は霊園の管理職員が埋葬を担当する場合も多くあります。
納骨にかかる費用
お墓への納骨を行う際には一般的にお坊さんに来てもらい、墓前でお経を挙げてもらいます。仏教と内容は異なりますが、神道でもキリスト教でも墓前での儀式があります。
お寺等に支払うお布施の相場は3万円〜5万円ぐらいで、開眼法要等の他の法要も一緒に行う場合は5万円〜10万円程包むのが一般的です。
お寺の境内墓地ではない場合は、移動距離に応じて御車代を支払うのもマナーとされています。
お布施とは別に石材店等に埋葬・納骨料金を支払う必要があり、一般的に2万円〜4万円が相場です。別途戒名の追加彫刻を行うと3万円〜6万円程度かかります。
納骨当日の流れ
埋葬の当日までは自宅で安置している方が多く、お寺や霊園まで持って行きます。
到着したら、いちどお墓へ向かいます。
石材店の職人は不測の事態にも対応できるよう、通常1時間〜2時間前には到着して準備をしていますので、納骨式の前にカロートの中を確認しておいてください。
お花を持参した場合はこのタイミングで渡しておくと納骨式がスムーズになります。
骨壷がいっぱいで新たな骨壷が入るスペースがない。といったことが時々起こります。
もし一杯になっていれば既存のお骨をおカロートの中の土の部分に散骨を行ないます。
散骨をすると時間もかかる為、その場で行う場合と納骨式はその場で行い、散骨は後日改めて行う場合があります。
本堂での法要
納骨前に本堂等で法要を行うのが一般的です。宗派やお寺によりますが30分〜40分間が多いです。
法要が終わると墓前へ移動して納骨式を挙げてもらいます。
墓前法要
本堂から墓前にお骨を持って移動します。石材店の職人は何もなければ墓前で待っています。
施主が自分で墓前までお骨を運ぶのが務めであるという考え方がある一方、足が悪かったりして持てない場合は職人が臨機応変に手伝ってくれます。
墓前に着いたら職人がお骨を受け取り桐箱から取り出し墓前に置きます。墓前の花束を持参した場合はその場で職人に渡して花立に手向けてもらいます。
いよいよ納骨です。
最後のお別れのタイミングとなります。
石材店の職人がカロート内にお骨を収めて、拝石を閉めます。
カロートが大きかったり深い場合は職人が体ごとカロートに入ることもあります。骨壷をカロートに収めると蓋になる拝石を閉めます。
もう一度お経が始まります。お経の途中で焼香をしたり線香を手向けたりします。お坊さんや石材店の職人から合図がありますのでそれに従って手向けてください。
お経が終われば納骨式は終了となります。
お寺にお布施や石材店に埋葬費用を渡すのは、霊園やお寺に着いた時か、納骨式が終了したタイミングのどちらかが一般的です。
会食など
納骨式の後に会食が行われることが多いです。
場所はお寺や霊園のスペースを借りられる場合は仕出しを行ったり、近隣のお店等で行います。
法事に慣れているお店であれば、送迎バスを出してくれる店もありますので、聞いてみるとよいでしょう。
片付け
石材店の職人は納骨式後に石に目地をして蓋が開かないようにします。雨天の場合は目地が流れてしまう為後日施工することもあります。
まとめ
埋葬式は故人との最後のお別れとなる重要な儀式です。人が亡くなるとすぐに葬儀の準備や役所や銀行など多くの手続きに追われてしまいます。
納骨式は一般的に四十九日に行われる為、葬儀等も終わり精神的にも落ち着いた時期に行われます。
葬儀を終えるまでは悲しんでいる暇もない程忙しかったと言われるぐらい、やらなければいけないことも多い為、故人としっかり向き合えるタイミングです。
納骨まで手元で供養していたお骨を、お墓に納骨、重い石の蓋で閉じる、物理的にも切り離すことで気持ちに整理をつけるという意味合いもあります。
大切な方を亡くされた時は本当に辛いものです。納骨式は将来に向かい前を向いて進んでいくきっかけになる儀式です。
段取りを知っておくことで、穏やかな気持ちで故人を見送って頂けると幸いです。