霊園やお寺でお墓を見ていると、お墓にはほとんど全てと言って良いぐらいは墓石には文字が彫刻されています。
お墓の棹石(一番上の石)は一番目立つ部分であり色々な彫刻をされていますね。
ここでは文字彫刻と石種の関係について見ていきたいと思います。
文字彫刻とは
お墓を建てようと契約をすると、文字彫刻のお話が出てきます。自分の家のお墓を認識する為のものになります。
同じ文字彫刻でも、石の種類や部位により読みやすやに違いがでてきます。
石種の選びの際の参考にして頂ければと思います。
一般的なお墓の文字彫刻
和型の正面彫刻
和型のお墓は縦長で面積も狭い為、一般的には場合文字のみの彫刻になります。
それでも〇〇家の墓や、先祖代々之墓、南無阿弥陀仏、南無法蓮華経、俱会一処など色々なパターンがありますね。
洋型の正面彫刻
洋型のお墓であれば正面の面積が広いため、故人の好きな言葉のほか、花やイラストを彫刻するなどオリジナリティが高いお墓を作ることができます。
正面以外の文字彫刻
棹石正面の彫刻は文字が大きく、彫る深さも深い為比較的見やすいですが、その他の場所の戒名彫刻などは正面彫刻に比べて文字が小さくなり石種や彫り方によって見づらくなることも多くあります。
正面彫刻以外には以下のような文字を墓石に彫るのが一般的です。
建立年月日
お墓を建てた日や、お墓を建てた人の名前を彫ります。和型は背面、洋型は側面に彫ることが多いです。
建立者名の通り等は一般的に目立たせる必要はない部分なので一般的にお墓の背面や側面に彫ることが多いです。
戒名・法名
お墓に入っている故人の戒名、法名、名前、没年月日などを彫ります。これを彫ることでこのお墓に誰が納骨されているかがお墓の外からわかるようになります。
お墓の側面や墓誌に彫ることが多いです。
石種による文字の読みやすさの違い
黒御影
黒御影は磨いてある部分は真っ黒ですが、削った部分は白っぽくなるので、彫刻は一番読みやすいとされています。
この特徴から、暮石のは白御影を使っていても、墓誌だけは黒御影で作る人が多いです。
名前の部分はモザイクをかけていますが、彫刻面とその他の面の色が違う為文字が非常に読みやすいのが特徴です。
白御影
白御影は石目によりますが、黒御影と比較すると、磨いた部分と彫刻面の色の差がつきにくい為読みづらくなります。
洋型のお墓の裏面に彫刻された戒名彫刻です。
直近で新たに戒名彫刻を彫った人のみ白色の塗料が入っています。
塗料の有無の見え方が比較できる為掲載をさせていただきました。
新たに亡くなった方の戒名彫刻を彫る際には白色の塗料を入れても料金は変わりませんが、既存の戒名彫刻にも塗料を入れると別途数万円かかる為、このような状態になっています。
同じ白御影の中でも、目が細かい石の方が文字は見やすい傾向にあります。
石目が粗いと文字が読みづらい
同じ白御影の分類であっても、色が白に近づいたり。石目が粗いと文字より石自体の模様の方が目立つ為、目が細かい細かい石に比べて読みづらくなってしまいます。
上記はG623という中国産で、お墓の外柵をや建材として日本国内で非常に多く使われている石です。
どこの石材店でも取り扱いがある石であって、値段も一番安い石種です。
文字に色をつけて読みやすくする
文字彫刻の面に塗料を塗りで色をつけることで文字を読みやすくします。
白御影の場合、そのままでは文字が見えづらいですが、白色の塗料を文字彫刻面に入れることによって文字が読みやすくなります。
文字彫刻に塗料を入れる前と後の比較です。
石に比べて塗料の寿命は短い為に、数年経つと塗料が劣化してポロポロと落ちてきてしまいます。
文字に色を入れると定期的にメンテナンスが必要になりますので、ご注意ください。
朱色の文字を入れるのはどんな時?
お墓参りで霊園等へ行くと、赤い色の文字を見かけることがありますね。これは生前にお墓を建ててご存命であることをあらわしています。
生前にお墓を建てて建立者名をお墓に彫ったり、生前に戒名を貰って彫刻するような場合に文字を赤色に塗ることがよくあります。
一番見やすい組み合わせは?
一番文字が話見やすいのは、黒御影に白の色を入れた文字です。反対色になるので一番文字が読みやすい色の組み合わせになります。
まとめ
お墓の打合せの時点の原稿では文字は黒で表されていることが多いので、選ぶ石種によって文字彫刻がほとんど見えないことがあるなんて想像もしません。
石材店側も文字の間違いがないかどうかは慎重に確認をしますが、高い石を勧めたいなどの理由がない限りは文字の見やすさについては積極的には言わないです。
お墓が出来上がってみて文字が見づらいと感じてしまっても、石材店側のミスという訳ではな為、文句も言えないような状態になってしまうことも多いのではないでしょうか。
一生のうちに何度も建てることのないお墓です。
出来上がってみて不満に思うことがないように、参考にして頂ければと思います。