大谷石資料館を見学してきました。都会の石材店の勤務だったため採掘場を見たことはありませんでしたので非常に興味深いものでしたので、施設のレポートとあわせて大谷石の紹介をしたいと思います。
大谷石とは
大谷石とは、栃木県宇都宮市大谷町から採れる有名な石です。
凝灰岩(ぎょうかいがん)に分類されており、成り立ちは火山から噴出された火山灰が地上や水中に堆積してできた岩石です。
独特な緑がかった色をしており、あちこちに「みそ」と言われる茶色い斑点があり、石目も独特の石材です。
大谷石の用途
お墓としての大谷石は過去は外柵として多く利用されてきました。お墓の他にも建物の塀や建物の内装としても多く利用されてきました。
今でも、独特な見た目からオシャレな飲食店の外壁や内装にもよく使用されています。
石材としての大谷石
大谷石は御影石と比べて風化しやすい特徴があります。お墓の他建物の塀として見かけると思いますが、風化により表面が剥離し触るとポロポロと落ちてくるような状態になっている物を一度は見たことがあるのではないでしょうか。
このような性質から、近年新規で建てるお墓にはあまり使用されていません。
しかしながら、独特の雰囲気色や風合いは味があるので建物建材や内装としても変わらず人気があります。
風化や経年変化により表情を変え、変化を楽しむのも醍醐味であるように思います。
大谷石はこんな見た目
大谷石資料館は産地ならではで、石畳のほか建物の塀やトイレの外壁など施設全体に大谷石がふんだんに使われていました。
自動販売機にも大谷石の石目にラッピングされていたのも、印象的でした。
切り出して据え付けた直後の新しい石は薄い緑色をした非常に綺麗な石です。
時間が経つにつれて、水垢などで黒っぽく変化したり表面が侵食されることで見た目が経年変化していきます。
御影石ほどの耐久性はありませんが風合いが変化し、味として楽しめる石目であると思います。
大谷石資料館とは
宇都宮ICから約8キロに位置しています。
大谷資料館とは大谷石の採掘場跡がを見学できるようにした資料館です。
資料館付近の山々は過去に採掘されており、垂直に切り抜かれた山肌は圧巻です。
入口の建物から地下の採掘場跡へ降りることができ、地下30m〜60mにかけて広がる巨大な地下空間を見学することができます。
駐車場から徒歩3〜5分程度の距離を施設入口まで歩いて行き、入口の建物の脇にはオシャレなカフェスペースも設けられていて賑わっていました。
石材を切り出し運び出した採掘場跡
石材は規定の大きさに切り出して運び出されます。それを用途に合わせて加工をしていきます。
石材専用のカッターを使用して石をカットして運び出していきます。
採掘場跡の壁にはこの機会で切り出した時に出来た傷が縦横についていて、格子柄のようになっています。
館内は夏でも涼しく神秘的
地中にこれだけ大きな空間が広がっているのは自然に形成された鍾乳洞とは別物です。採掘場ならではであり、地中の神殿といった雰囲気でした。
鍾乳洞と同じように館内は夏でも涼しく長袖が必要です。
テレビの撮影場所としても有名
地下の大きな空間は独特のかつ、神秘的な雰囲気があり、映画やドラマの撮影でも頻繁に使われているようです。
その為か、実際に見学をした日は子連れや若者グループ、カップルの来場が目立ちました。
まとめ
大谷石資料館は東北道の宇都宮JCTからも8km程度と近く便利な場所にあります。日光や鬼怒川温泉からも近い為、観光のついでに是非立ち寄ってみて欲しい場所です。
大谷石は関東都市圏からも近く、お墓のみならず建物にも多く使われてきました。歴史ある住宅街に行けば塀としてよく見かける石です。
お洒落な飲食店でもよく使われています。
お墓として近年使われることは稀ですが、石材として使用するにはメリット、デメリットを理解したうえでの使用が必要かとおもいます。
歴史のあるお寺や墓地を訪れた際には、大谷石を使用しているお墓が見つかると思いますので、是非探してみてください。