無縁仏という言葉を聞いたことがあるでしょうか。昨今の少子高齢化でニュース等でも問題として取り上げられることも増えてきました。
無縁仏とはどういう意味なのでしょうか。
無縁仏ってなに?
無縁仏とは、火葬や埋葬をしてくれる親族がいないご遺体であったり、維持管理する縁者がいなくなったお墓のことを指します。
もう一つは、維持管理がされなくなったお墓のことを指します。
引き取り手のないご遺体はどうなるの?
亡くなった方の身元が判明しない場合や、火葬や埋葬を行う人がいない場合は、墓埋法で死亡地の市区町村が火葬や埋葬を行うことと定められています。
警察や市区町村で身元の確認や、親族への連絡を取ることとなりますが、身元が判明しなかったり親族から引き取りを拒否されることもあります。
市区町村や警察に出入りしている葬儀社があり、お寺での供養は原則なく最低限の火葬等の料金を市区町村が払うことで火葬が行われます。
火葬後に親族が現れる可能性がある為、何年かは永代供養墓で安置されることが多いです。
管理されなくなったお墓
管理されなくなったお墓も無縁仏と言われています。管理がされなくなったお墓とはどのようなお墓なのでしょうか。
墓地の管理者がお墓の管理者がいるかどうかは、年間の管理費が払われているかどうかで判断をします。
管理料が払われなくなると施主に連絡を取ることになります。単純に忘れていただけの場合もあれば、施主が亡くなっていたり引っ越しているなど、なかなか連絡が取れないのが現実です。
管理費が未納であっても別の親族や知人がお参りに来ることがあるので、お墓に立て札を立てて連絡を促すことが多いようです。
それでも連絡が取れない場合、管理費の未納が3年続くと一定の手続きを踏んで管理者側でお墓を撤去することができるように法律が改正されています。
無縁仏になってしまった場合にどうなってしまうのかは、こちらの記事でも解説しています。
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無縁仏になったらどうなるの?
無縁仏にならない為には
無縁仏にならない為には、子供がいたり兄弟やその子供たちと親交があれば多くの場合は無縁仏になるのを避けられます。
しかし、親族がいない場合は生前に自分で準備をしておく必要があります。
永代供養墓の生前申し込みを行う
近年は少子高齢化や核家族化が進み永代供養墓の選択肢が非常に多くなりました。
しかしながら親族がいない方は誰が申し込み、引き渡し手続きをしてくれる訳ではないので、生前に自分で準備をしておく必要があります。
一人暮らしの場合であれば、生前申し込みの上で遺留品と一緒に永代供養墓の場所や申し込み証書を発見しやすい場所に置いておくことで、葬儀社が対応してもらうことになります。
墓じまい
先祖代々お墓がある場合は自分もそこに入ることになると考えている方も多いでしょう。
しかしながら、親族がいない場合は管理料が支払われなくなる為、すぐに無縁仏の状態になってしまいます。
無縁仏になると、施主への連絡をしたり、撤去する為の手続きにかかる費用、解体費用や中のお骨の供養にかかる費用負担。手続きが整うまでの期間は撤去もできない為、近隣区画に何かしら被害を出してしまう場合は対処する必要があり、墓地管理者にも迷惑をかけることになります。
それを避けるには、生前に墓じまいをしてしまうのが最善の方法です。しかしながら、お墓の撤去費用に加えて、現在お墓に入っているお骨をどうするかを検討しなければいけません。
一般的には、その時お墓のあるお寺や霊園の永代供養墓に入れてもらうのが一番安心感があり一般的です。料金は今までのお付き合いの度合いにもよりますが、撤去費用に加えて永代供養料が発生することが多いです。
お墓の大きさによりますが、解体には数十万のお金がかかるうえに、墓じまいを行うお墓からお骨がたくさん出てきた場合は、永代供養料も高額になります。費用負担ができず無縁仏になってしまう問題も出てきています。
また、お寺や墓地管理者に相談することで、お墓の形で一定期間もしくは永代にわたり残してくれる場合もあります。
どちらにしても、相応の管理料の支払いや寄付をする必要があります。
まとめ
ご遺体もお墓も、管理する人ががいない場合は市区町村や墓地の管理者が最終的な責任を負うことになっています。
火葬や葬儀には多額のお金がかかる為、親族とはいえ疎遠になったり絶縁状態にある人に対して引き取りを拒否されるのも仕方ないのかもしれません。
お墓に関しても継承者がいなくなってしまったら墓じまいを行い自らの死後の準備もしなければいけません。
お墓の制度は古くから日本に根付いている伝統的なものではありますが、後継者がなく希望のお墓を持てなかったり、維持できないお墓を抱えて多額の負担を強いられるなど、少子高齢化が進む昨今の社会に合わない部分も散見されます。
早めの対処をすることで、取れる選択肢が増やせるので、早めに将来のことを考えていただけるきっかけになれば幸いです。