墓石業界

お墓が出来るまで。お墓に関わる仕事を紹介。

お墓を建てようと思った時、どこに依頼すればいいのでしょうか。聞くまでもなくほとんどの方が石材店と答えるでしょう。

お墓を建てたい施主に対して直接契約をしてお墓という形で引き渡すのは石材店ですが、そこに至るまでには沢山の業者が関わっています。
お墓が形になるまでを見ていきましょう。

お墓に関わる業者

町にあるほとんどの石材店では石材の加工は行なっておらず、商社から加工済みの石を仕入れてお墓に据え付けています。
お墓が出来るまでに関わる人たちを見ていきましょう。

丁場

まずは山から石の原石を掘り出す必要があります。石の岩盤をカッターで削り切り出したり、岩盤に穴を開けダイナマイトを刺して割り、クレーンで釣って運び出し工場へ運びます。
自然が相手の現場になりますので、常に危険が伴う工程です。

昔の丁場が見学できる大谷資料館の記事です。

大谷石ってどんな石?大谷資料館に行ってきました

工場

切り出した原石を工場に運び出し、墓石の形に加工していきます。原石を大きな刃が回転するカッターで切り、最初は荒いヤスリから目の細かいヤスリへと何段階も磨く工程を経て墓石の形になっていきます。
形が整い、デザインや文字の彫刻も工場内で行われます。

もちろん工場は国内にもたくさんありますが加工賃が高い為、国内加工でオーダーを出さなければ、海外の工場で行われることが多くあります。
国産の石でも原石を人件費の安い海外に搬出し、加工をして国内に輸送することも普通に行われています。
昨今の石材は中国に依存しており、中国との関係性が悪化すると税関で止められて納期が遅れたり、旧正月の時期は工場が軒並み休みになり通常より時間がかかることもあります。

商社

海外の丁場や工場と国内の石材店をつなぐ役割を果たしています。石材店がお客さんと打ち合わせをした内容が商社を通じて海外の工場に伝えられます。輸入や船便の手続きを行い石材店に届けるまでが商社の仕事になります。
小さな石材店ではパソコンを使った設計図等が作れないことが多いので、CADのオペレーターが在籍していてお墓のデザインや部材の数などの設計図を作るところまで担う商社が多くあります。

運送事業者

墓石は重量があるので海外の工場から主に船便で運ばれます。船便は輸送そのものに時間がかかるのに加え、運行される船の運行日が決まっているため、一定の時間を要します。

仏具メーカー

お墓にとって欠かせないステンレスの花立てや線香立て等の多くは仏具メーカーによって作られています。
カタログや仕様書があり様々な部材を溶接が掲載されており、特注も可能です。

石材店(施工部門)

ここまで加工されてようやく石材店に石が届きます。部品ごとに梱包用のテープ等で束ねられた状態で届きます。
通常、先に基礎工事を行ったうえで固まった後に墓石の工事を行います。

届いた部材は石材店の職人によって運ばれ区画に据え付けられます。
小さなお墓であれば工事は1日で終了することが多いです。
石材店の職人の仕事のことはこちらでも解説しています。

石材店の職人はどんな仕事をしているの?

石材店(営業部門)

お墓を買う時の窓口になるのが石材店の営業部門の担当者です。営業部門の担当者は現地でお客さんに説明を行い、お墓を建てる区画の決定、石の種類の決定、お墓のデザインの提案を行います。

受注が決まったら、お墓の部材の発注や、工事日程の調整、お寺や霊園と納骨の日程調整まで行うことが多いです。

石材店の営業の仕事はこちらでも解説しています。

石材店の営業マンはどんな仕事をしてるの?

まとめ

お墓を建てるときにお客さんを窓口になるのは石材店ですが、そこに至るまでにたくさんの人たちが関わっています。

石材は区画に合わせて都度設計を行う為オーダーメイドで作られており、多くは発注後に海外の工場で加工されますので発注からお墓の形で納品されるまで一般的に90日前後かかるのはその為です。

石の流通の仕組みや石材店の仕事の領域が少しでもご理解頂ければと思います。

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